三菱ケミカルのバイオエンプラ、パイロットのボールペンに採用

2022年2月26日 09:30

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(画像:三菱ケミカル発表資料より)

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 三菱ケミカルの開発したバイオエンプラ「DURABIO(デュラビオ)」が、パイロットのボールペンに採用された。

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 いわゆるSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)の実現のため、石油由来製品の姿は次々に社会から消えていっている。コンビニのレジ袋は有料になり、ファミリーレストランやカフェからはストローが消えたり、あるいは紙製になったりと、世の中への影響は様々だ。

 だが、プラスチックないしそれに類するものへのニーズそのものが消えるということはもちろんない。多様な分野で、なおもそれらは必要とされている。ストローはいざ知らず、紙で間に合う場合と間に合わない場合というのもあろう。

 そこで、代替マテリアルである。デュラビオというバイオエンプラは、第14回GSC賞経済産業大臣賞(2014年度)に輝いた製品で、既に当時から車の構造体など様々な分野に採用されていた。

 デュラビオは、イソソルバイドという再生可能な植物資源から作られている。単に石油製品の代替になるというだけではなく、一部の特性においては従来のプラスチックを凌ぐ性能を誇っているバイオマスプラスチックである。

 生分解性プラスチックとは異なるため、そのままで土に還すというわけにはいかないが、焼却処分によって出た二酸化炭素は原料となる植物によって回収されることになるため、「持続可能」であるというわけだ。

 今回、パイロットから製品化されたデュラビオ使用のボールペンは、「アクロボール Tシリーズ バイオマスプラスチック」「フリクションボールノック 05 バイオマスプラスチック」の2つ。2月3日より販売を開始している。

 今回発売になったボールペンは、ノベルティ用の製品であるので、一般向けの市販はされていない。だが入手する機会があったら胸元に差しておくことで、環境保護への意識をアピールすることにもなるだろう。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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