三越伊勢丹、千駄カ谷で移動型店舗によるコンシェルジュサービスの実証実験

2021年7月6日 08:28

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ソニーのエンターテインメント映像技術とヤマハ発動機の自動運転技術を融合させた「ソーシャブルカート」(三越伊勢丹ホールディングス発表資料より)

ソニーのエンターテインメント映像技術とヤマハ発動機の自動運転技術を融合させた「ソーシャブルカート」(三越伊勢丹ホールディングス発表資料より)[写真拡大]

 三越伊勢丹と三井物産は5日、東京都渋谷区千駄カ谷のリアルゲイト本社ビルで、専用の移動型店舗を使ったコンシェルジュサービスや買取サービスの実証実験を始めた。オフィスワーカーに特別な購買体験を提供するとともに、新たな購買層の掘り起こしが狙いで、9日まで続ける。

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 三越伊勢丹が期間中、午前10時から午後6時までリアルゲイト本社ビルに自動運転の移動型小型店舗「ソーシャブルカート」と、トレーラーハウス型モビリティを出し、コンシェルジュサービスや買取サービスを提供する。サービスの提供はリアルゲイト本社とポータルポイントハラジュクの入居企業の従業員を対象とする。

 コンシェルジュサービスは完全予約制で、事前の要望に合わせてモビリティ内にさまざまなブランド商品を集め、試着や比較検討をしてもらう。三越伊勢丹リモートショッピングと連動し、リモート相談も可能。日本橋三越本店の婦人・紳士服が対象商品になり、最後にアプリで決済してそのまま持ち帰ることができる。

 買取サービスは衣料品など不用品をモビリティ内で査定し、即時に買い取る。一部は資源としてリサイクルする方法を用意し、販売員が最適な方法をアドバイスする。「捨てない社会」の実現に向けた取り組みで、予約制となる。

 コロナ禍でテレワークが推進されるなど、働く環境が大きく変わりつつある。今回の実証実験は、オフィスワーカーに持続可能な購買体験やライフスタイルを提案するリアルゲイトのオフィスサービスに連動して実施を決めた。

 百貨店業界はコロナ禍で訪日外国人の消費が大きく減少したほか、若者の百貨店離れによる売り上げの減少に頭を痛めている。三越伊勢丹は移動型店舗の導入で新たな需要を掘り起こしたい狙いも持っている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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