中間期売上高過去最高更新:駐車場業界4位のパラカに惹かれる理由

2023年6月25日 20:39

印刷

 駐車場大手4社:パーク24(4666)・日本駐車場開発(2353)・東京建物(8804)・パラカ(4809)の株価に、出遅れ感を覚える。確かにコロナ禍の影響で厳しい時期を余儀なくされた。が戻り足は着々。とりわけ業界4位で健闘するパラカには、ビジネスモデルの観点からも興味深さを感じる。

【こちらも】積水ハウスやタイムズ24ら、賃貸住宅駐車場の空き区画を有効利用へ

 パラカの前2022年9月期は「10.3%増収、26.1%営業増益、42.8%最終増益、7円増配62円配」。今9月期も「9.4%増収、10.1%営業増益、10.4%最終増益、62円配」計画で立ち上がったが、第2四半期開示と同時に「11%の増収(144億円)、20.3%の営業増益(22億5300万円)、21.9%の最終増益(17億円)、2円増配64円配」に上方修正した。

 パラカの売上高営業利益率はパーク24の約2倍。社員1人当たりの売上高は約1億6600万円。この間23期連続の増収を続けている。

 野村證券、現ゴールドマン・サックスを経た内藤享氏が設立したパラカを初めて取材したのは、上場(1997年8月)間もない頃。同社の成長を振り返ると2010年9月期がターニングポイント。

 初の取材時に「後発組ですからとにかく工夫を施さないことには・・・」とした広報担当者の声が、いまでも耳に残っている。具体的な工夫は、現状の収益に反映されている。

★駐車場事業: 不動産オーナーから土地を借り入れ、駐車場を展開(前期末で1918件/2万8570室)。規模では、業界5位の域をでない。だが地主との間での契約は立地等に応じて、「売上に応じた還元」「定率還元」の2つの方式で対応している。

★狭小地事業: 乗用車の駐車場では採算が取れない狭い土地では、バイクor自転車or少数代のバスの駐車場事業を展開している。

★自社保有駐車場: パラカが大手を追いかける、差別化するために打った手だ。都心部の用地は既に大手業者で抑えられており、限界があった。そこで打った策が未開拓だった、地方都市。それも駅近での展開。通勤車需要を汲み取った。前期末で投資残高312億円、261件/5010室。

 時価は1900円台前半水準、予想税引き後配当利回り2.7%弱。3月の2121円からの調整場面。信用取引倍率132倍強と人気を窺わせる。過去10年余の修正値ベースの株価パフォーマンス:約4倍を勘案すると、好配当利回りを享受しつつ(ここ数期の配当性向40%超)中長期構えでじっくり臨みたいと思うが・・・。(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事