お茶(カテキン)のコロナウイルス(インフルエンザ)効果、その後の進展は?

2021年10月7日 16:05

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 9月24日の読売新聞オンラインが『日本茶 コロナ苦・・・贈答品の需要減・来客者減 自治体が生産者支援』と題する記事を配信した。「企業でのお茶出し」や「香典返し」などの需要が吹き飛び、大幅減。産地を抱える自治体は支援に乗り出している、という内容。

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 読みながら日本茶にもコロナの影響か・・・としみじみ「憎い、コロナ」を感じた。と同時に、日本茶絡みのある「朗報を感じた」記事を思い返した。6月15日。「京都府立大学大学院の松田修教授らの研究グループが、(日本茶、ほうじ茶、紅茶に含まれる)カテキン類が、変異型ではない従来型の新型コロナウイルスの感染力を低下させることを、伊藤園との共同研究で確認した」と各メディアが伝えた。が、その続報に未だ接していなかった。どうなっているのか、伊藤園に取材をしてみた。窓口から、こんな話を聞いた。

 『現在も共同研究中』。『カテキンはお茶の苦みを形成する成分』。

 『「緑茶カテキン・カテキン誘導体・紅茶ガレート型テアフラビンによる、新型コロナウイルスの試験管内での有意な不活化」「紅茶と緑茶に、唾液中の新型コロナウイルスの試験管内での迅速な不活化」という2つの論文が、発表の背景』。

 『自分が認識している限りでは、人を使って実験はできない。試験管に健康な人の唾液と新型コロナウイルスを入れた上で、お茶を加えたところ10秒後にウイルスの感染力が100分の1以下になったと言う。感染予防や治療への効果は薄いものの、感染した人がお茶を飲むと唾液の中のウイルスが弱まり、飛沫感染のリスクを下げる可能性があると言われている』。

 『カテキン効果については、例えばインフルエンザの症状改善効果を研究機関などと共同研究している』。

 ちなみに伊藤園は「カテキン加工除菌・消臭不織布マスク」を発売している。

 要するに今の段階では、更に(共同)研究が進むことを祈るばかり・・・という次第。だが関心を持ちあちこちの話を聞いている中で、こんな話も耳にした。

 前記の松田教授は「効果的な(お茶の)飲み方は、ほっぺたの内部の周りとか、舌の下とか、全体に行きわたらせてから飲む方がよい」「緊急事態宣言が解除され飲食店で酒を飲むような場合はまずはお茶の“含み飲み”をすることで、飲食店での飛沫感染リスクを下げる可能性がある」としていると言う。

 対コロナウイルス効果の研究の進捗は、お茶需要の引き上げにも効果をもたらすと思う。
 
 ところでこんな情報も耳にした。厚労省によると「インフルエンザワクチンの供給が遅れている。昨年は10月末の段階で全体供給量の9割程度の供給が確保されていたが、今年は65%程度にとどまる懸念が強い」と言うのだ。新政権がどう出るかは今の段階では「?」だが、コロナワクチンの「3回目接種」が浮上してきた。今冬も、ワクチン接種問題に晒されるのだろうか。

 伊藤園では「インフルエンザとカテキンの共同研究も」としたが、具体的な詳細は聞き漏らした。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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