新型スバル・BRZ発表 2.4Lに拡大されボクサーエンジン FRでキープコンセプト (1)

2020年12月2日 18:17

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新型スバル・BRZ(画像: SUBARUの発表資料より)

新型スバル・BRZ(画像: SUBARUの発表資料より)[写真拡大]

 新型スバル・BRZが、11月18日発表された。例によってアメリカで先行発売されるようだ。スバルは北米で販売に成功したとはいえ、相変わらず日本企業としての意識はないようだ。そこがトヨタとの違いのようだが、1人のスバリストとしては歯がゆい思いだ。

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 トヨタ・86と兄弟車だから、トヨタからも近く発表があるのだろう。スバル・BRZとは、「B」(Boxer Engine):ボクサー(水平対向)エンジン、「R」(Rear wheel drive):FRの後輪駆動、そして、「Z」(Zenith)は日産・フェアレディZと同じく究極を表している。

 スバルとしては異質なFRであり、「AWD」の基本を外れた存在だが、古典的とも言える「スポーツカー」の形態を追いかけている。日産・フェアレディZと共に古風とも言えるスタイリングで、エンジンも「高出力、高回転、低燃費」を目指している。最近、低速トルクを追い求めてロングストローク化していく流れの中で、ボア×ストロークがスクエアな、現代においては高回転型とも見えるエンジンである。

 ボクサーエンジン縦置きでの制約であろうが、ターボを付加して低速トルクの向上と、ピックアップ性能向上を図ってほしいところだ。他メーカーでは多くのエンジンで成功を収めているようだ。また、スポーツカーと言えどもマイルドHVなど電動化も視野に入れるべきで、スバルが電動化技術で後れをとっているように見えてしまう。

 そんな古風なライトウエイトスポーツとも言える新型BRZはもちろん軽量(1.25t)の車両重量で、世界的にも極めて珍しい安価なFRスポーツカーだ。広く世界を見渡しても、これほど多くの車種を揃えられる国も珍しく、日本国民としては自動車メーカーに感謝しなければならない。価格も大変手ごろに買えるとあって、クルママニアにはたまらない国である。

 新型BRZは、おおよその数字で、全長4265mm、全幅1775mm、全高1311mm、ホイールベースが2576mm。旧型よりも25mm長く、10mm低く、ホイールベースは6mm長くなっている。この数値からもプラットフォームはSGP(スバルグローバルプラットフォーム)ではないようだが、SGPを採用した新型レヴォーグと同じく、フルインナーフレーム構造を採用し、構造用接着剤を多用して、ボディ外板の中にさらにプラットフォームと繋げた構造材と接着するなどしている。

 これは余談だが、接着剤には常識的に耐用年数があるものと見ているが、住宅用構造材にも接着剤で作った集成材が用いられる時代だ。車両の耐用年数に問題は出ないと思うが、タカタのエアバッグの問題で露見したように、火薬(化学材)の耐用年数を加味してこなかった事例もあるので、正確な技術的所見を示しておいてもらいたい。

 しかしスバルは今回、SGPを採用したのではなく、その技術的ノウハウを生かしてボディを作り上げている。そして、フロント横曲げ剛性約60%、ねじり剛性を約50%強化するなど、大幅なボディ剛性の強化を図っている。これはサスペンションセッティングにかなりの自由度を加え、操縦性能を上げていることが予測される。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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