神戸製鋼、栃木県真岡市に140万kW級ガス火力発電所建設へ

2013年2月22日 17:32

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 神戸製鋼所は22日、栃木県真岡市においてガス火力発電所の建設を目指し、今回環境アセスメントの手続きを開始すると発表した。環境アセスメント手続きの開始は3月下旬の予定で、アセスメント実施期間はおよそ3年を見込んでいる。

 神戸製鋼は製鉄事業を通じて、半世紀以上にわたり自家発電所運営のノウハウを蓄積してきた。現在、加古川製鉄所(兵庫県加古川市)においては、高炉ガスを燃料に用いたガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電設備を2基導入し、エネルギー効率の改善を図る工事を進めている。一方、神戸製鉄所(兵庫県神戸市)においては、発電規模140万kWの石炭火力発電所を建設し、2002年から関西電力向けに電力卸売(IPP)事業を行なうなど、電力の安定供給にも貢献している。

 今回の計画は、神戸製鋼の真岡製造所隣接地の栃木県真岡市鬼怒ヶ丘1丁目第5工業団地内に、都市ガスを燃料としたGTCC方式の出力140万kW級(70万kW級×2基)の外販用火力発電所を建設するもので、2019年から2021年頃の稼動を目標としている。

 建設を計画している工業団地内では、東京ガスが都市ガスの供給幹線「茨城~栃木幹線(茨城県日立市~栃木県真岡市)」の敷設工事を進めており(2015年度完成予定)、燃料の都市ガスを安定的に調達できる環境が整備される。また、既存の送電網への接続が比較的容易である等、ガス火力発電所立地を計画する上で優位な社会インフラが揃った地点であると考えられている。

 電力の販売先としては、現時点でIPP入札計画(1,000万kW規模の高経年化火力リプレース等)を発表している東京電力を想定しているという。

 同計画の発電所は神戸製鋼の安定収益基盤確保に寄与するとともに、完成すれば日本初の本格的な内陸型火力発電所となり、内陸立地による電源分散化や地域経済発展といった社会的要請にも貢献できると考えられている。

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