「AI相談パートナー」に生成AI機能を追加し7月にリリース ~横須賀市の実証実験で相談業務の高度化を確認、住民サービスのさらなる向上へ~

プレスリリース発表元企業:株式会社アイネス

配信日時: 2024-04-30 12:00:00

「AI相談パートナー」に生成AI機能を追加し7月にリリース ~横須賀市の実証実験で相談業務の高度化を確認、住民サービスのさらなる向上へ~


株式会社アイネス(本社:東京都中央区、代表取締役社長:服部修治、以下 当社)は、自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」に生成AIを活用した機能を実装し、7月に正式リリースすることをお知らせいたします。横須賀市(市長:上地克明)において2023年9月から24年3月まで実証実験を実施し、相談業務の高度化と多様な住民相談サービスに大きく貢献できることを確認しました。

1.背景
横須賀市は「誰も一人にさせないまち横須賀」というスローガンを掲げ、誰もが安心して生活できる環境の実現を目指しています。その取り組みの一環として、市は総合相談窓口「ほっとかん」を設置し、福祉分野における複雑な課題を抱える住民への支援強化に努めています。
当社はこの取り組みに貢献すべく、相談業務の効率化と職員の事務負担軽減を目的とし、AI相談パートナーに生成AIを活用した要約機能を新たに実装しました。生成AIの要約機能が記録票作成においてどの程度有効か、今回の実証実験で実際のデータを用いて検証しました。

2. 実施概要
 目 的:相談業務における生成AI活用効果と職員の業務効率の検証、および運用上の課題整理
対 象:横須賀市福祉こども部地域福祉課の相談業務
期 間:2023年9月19日~2024年3月31日

今回の実証実験は、相談業務における機微な情報の厳正な管理、閉域網を活用した「Azure OpenAI Service」との連携など、情報セキュリティの確保に重きを置いて実施しました。
横須賀市職員への事前調査から、生成AIを活用する場面を、業務の効率化に有効と思われる相談時の会話の内容を要約することに絞って機能を検証しました。その際「相談全体の流れ」と「要点」が整理され、そのまま記録表に流用できる精度が求められました。
生成AIに指示を出すプロンプトでは、まず何を生成すべきか(役割)を明確に記述し、次に「記録の観点」として必要十分な項目を詳細に設定した上で実証を開始しました。
 
【画面1】従来の会話の文字起こし画面


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0NzU0NSMzMzYzMjkjNDc1NDVfbHh2RlFSd0xwSi5qcGc.jpg ]
【画面2】文字起こし(左)から内容を要約して表示(右)(約7,000字から500字へ)


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0NzU0NSMzMzYzMjkjNDc1NDVfcFBUQmNBWlBmQi5qcGc.jpg ]
3. 評価
(1)定量評価
生成された要約文に虚偽はないか当社内で検証した結果、要約文1件あたりの修正箇所は平均4.3カ所でした(最小修正箇所0カ所、最大修正箇所10カ所)。
また、職員の記録、整理にかかる作業時間の短縮は、25%~50%程度、多い人で80%以上見込まれるとのアンケート回答を得ました。


[資料: https://files.value-press.com/czMjYXJ0aWNsZSM0NzU0NSMzMzYzMjkjNDc1NDVfWHljUVlWbGZSei5qcGc.jpg ]
(2)定性評価(職員へのアンケート調査)
職員へのアンケートで主に以下の内容を確認しました。
・観点ごとに書かれている内容の粒度が適切か
・嘘がどれくらいあるか
・業務で役立つと思うか
・記録を作成する時間が改善されるか
・機能として欲しいと思うか
総評として、全ての項目において高評価をいただきました。要約文の修正箇所は軽微であり、全体の1割程度に抑えられたことが評価につながりました。
<アンケートコメント>
・箇条書きで完結に整理され記載されていて読みやすい。
・かなりの精度で要約されており、過不足なく、適切な記録であると思われる。
・概ね主訴や状況は捉えられていると思った。追加でキーワードを入力すればさらに完成度は高くなると思った。
・日々の業務で入力している記録のフォーマットに要約が入れば、さらに記録時間の短縮につながる。

以上の評価から、「AI相談パートナー」における生成AIを活用した要約機能は、相談業務の記録票作成の時間短縮に一定の効果があることが明らかになりました。これにより、職員が開庁時間内に住民に対応できる時間が増え、住民サービスの向上につながることが期待されます。

4. 今後の展開
生成AI機能を実装した「AI相談パートナー」は、2024年7月に正式リリースいたします。また、さらなる機能強化を進めており、引き続き「安全・安心な地域社会の実現」に寄与するサービスとして、自治体のお客様に向け導入を拡大推進してまいります。
 

※「AI相談パートナー」の概要
自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」は、自治体における相談業務全般のデジタル・トランスフォーメーション(DX)を推進するサービスで、当社と株式会社三菱総合研究所が共同で事業化しました。2021年4月から提供を開始しており、すでに70団体以上への導入実績を有しています。
詳細については、「AI相談パートナー」ご紹介ページをご覧ください。
 https://www.ines.co.jp/service/ai-consultation-partner.html


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