ふるさと納税、年間4回以上寄附した人が増加 マイボイスコム調査

2021年12月29日 16:33

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 リサーチ会社マイボイスコムが、ふるさと納税に関する調査結果を発表し、1年間に4回以上寄附をするヘビーユーザーを中心に利用者が増えていることが分かった。

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■ふるさと納税を利用した人は約3割

 27日、伊藤忠グループのリサーチ会社マイボイスコムが「『ふるさと納税』に関するインターネット調査」の結果を発表した。

 ふるさと納税を利用した経験を尋ねたところ、「ほとんど毎年行っている」が15.8%、「ときどき行っている」が3.8%、「1~2回程度行った」が8.1%。一方で「ふるさと納税で寄附したことがない」は68.7%、「ふるさと納税を知らない」は3.5%だった。

 これまでに1回以上ふるさと納税の経験がある人は、2019年7月調査の21.4%(毎年:10.5%、ときどき:3.2%、1~2回:7.7%)から27.7%に増加。一方で「ふるさと納税を知らない」と答えた人も2019年の2.1%から3.5%に増加している。

■ヘビーユーザーが増加中

 またふるさと納税の経験者を対象に、1年間に寄附した回数を尋ねたところ、「1回」が24.5%(2019年:32.6%、以下同じ)、「2~3回」が32.0%(35.0%)、「4~5回」が22.0%(19.3%)、「6~10回」が9.4%(8.2%)、「11回以上」が6.4%(4.5%)だった。

 19年と21年の調査でともに「2~3回」がボリュームゾーンであるのは変わらないものの、寄附が3回以下のライトユーザーが減っている一方、4回以上のヘビーユーザーが増えている。また男性は30~50代、女性は40代で他の層よりも寄附する頻度が高かった。

■ふるさと納税の魅力は返礼品

 ふるさと納税の返礼品で選んだ物を尋ねたところ、「地域の特産品:食品・飲料」が86.4%と圧倒的だった。ついで「地域の特産品以外:食品・飲料」が19.5%、「地域の特産品:その他の物品(モノ)」が18.2%でここまでが2桁割合。

 以下は、「地域の特産品以外:その他の物品(モノ)」が6.9%、「地元や周辺で使える宿泊券、食事券、優待券など」が4.1%、「その他金券・ギフト券」が3.9%、「災害支援募金」が3.5%、「寄附、寄贈、団体等への協賛など(思いやり返礼品)」が3.2%と続いている。

 また、ふるさと納税で寄附をした自治体の選定理由を尋ねたところ、「寄附の特典(返礼品)が魅力的」が72.0%で圧倒的に多かった。ついで「寄附の特典(返礼品)が地元のものである」が21.7%、「その自治体を応援したい」が20.4%、「自分や家族・親類の出身地など。ゆかりのあるところ」が20.1%、「還元率が良い」が15.7%、「返礼品が人気だった」が11.3%、「寄附の用途の共感できる」が8.5%などとなっている。

■「節約方法」や「ウィンウィン関係」の意見

 ふるさと納税を「したいと思う理由」「したいと思わない理由」の具体的な回答も紹介されている。「したいと思う理由」では、「節約方法の1つ」「明確な(税金の)使途」「(寄附者と生産者の)ウィンウィンの関係」の回答があった一方、「したいと思わない理由」では「手続きが煩雑」「(寄附した先の自治体で)効果があるか分からない」「(ふるさと納税)制度の理念から逸脱している」の意見があった。また「今住んでいる地域に貢献したい」「生活に余裕がでたらしてみたい」との意見もあった。

 調査は、12月1日~5日の間にインターネットを通して実施され、10代から70代の男女1万0,031人から回答を得た。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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