不動産投資の融資で重要な項目とは?

2020年10月28日 16:59

印刷

■不動産投資は融資が大前提

 不動産投資は取り扱う商品が非常に高額であることから、融資を受けて取り組むことが大前提である。

【こちらも】10万円で不動産オーナーになれる?

 その価格は不動産の立地や築年数、戸数など、条件によって大きく変わってくるが、一般的に数千万円の規模になると考えてよい。

 なお、融資条件は金融機関によって変わってくるため、堅実な不動産投資を実現するうえで金融機関は十分吟味する必要がある。

■融資を受ける基本的な条件

 不動産投資の融資審査では様々な項目が審査対象になるが、中でも特に重要な項目をまとめ、説明していこう。

 (1)正社員であるか
 正社員の安定性が評価される。契約社員やパートなどは申込不可の場合も。経営者(役員)は会社の経営状況も考慮されるなど、正社員に比べると審査が厳しくなる。

 (2)年収は400万円以上
 区分マンション1戸であれば、年収400万円以上が1つのラインになるだろう。ただし、年収は高ければよいということでもなく、年による変動幅やインセンティブ割合が大きい場合は不安定と見なされる。

 (3)3年以上の勤続年数
 一般的に勤続年数は長ければ長いほどよい。金融機関では融資条件に勤続年数3年以上を設けている場合も多いため、審査を受けるためには一定期間の勤務が必要だ。なお、スキルアップによる同業界の転職は3年未満の勤続年数でも認めてもらえる場合もある。

 (4)資産背景
 どれくらい金融資産(現金・株式など含めて)を保有しているかも重要な要素だ。仮に諸費用分の資金を差し引いた残りの資産が微々たる場合、「不動産投資どころではない」と融資否決となりやすい。不動産投資に資金を費やしても、十分な資産が残るのであれば大きな問題ではないだろう。

 (5)健康であるか
 融資を受けると同時に団体信用生命保険への加入が必要になる。そのため、健康上に問題がある場合、生命保険に加入することができず、融資も受けられなくなる事例は非常に多い。

 (6)不動産の収益性
 不動産の収益性も審査材料の1つで、収益性に優れた不動産の方が評価は高くなる。ただし、区分マンションは収益性が低いため、立地や築年数、入居が担保されるか、将来の資産性などが考慮されるだろう。

■融資は販売業者を通すべき

 不動産投資の初心者は、販売業者から融資先の金融機関を紹介してもらうのがよい。それは販売業者が長年培ってきた融資により、個人で金融機関を開拓する場合よりも、好条件で融資を受けられる可能性が高いからだ。

 特に不動産投資を本格的に拡大していきたいと考えている人は、不動産の経営状況が芳しくなければ、今後の展開が難しくなる。

 先述の通り、どの金融機関を選択するかが不動産投資では重要といえるだろう。(記事:大掛翔太・記事一覧を見る

関連キーワード

関連記事