コニカミノルタ、14年ぶり赤字転落 投資判断は?

2020年5月13日 18:53

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■コニカミノルタ、14年ぶりの赤字転落へ

 コニカミノルタは12日、2020年3月期(2019年4月1日~2020年3月31日)の連結最終損益が35億円の赤字になる見込みであると発表した。当初予想では75億円の利益を計上する予定であった。連結最終損益の赤字転落に伴い、期末配当も15円から10円へと減配。経営陣の役員報酬も一部返上することになった。

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 コニカミノルタが最終赤字に転落するのは、14年ぶり。新型コロナウイルスの感染拡大により事務機を中心に販売が落ち込み、また在宅勤務の拡大によりプリント需要が減少していることもあり、市場環境は引き続き厳しいことが予想される。

■契約できても”設置”できず!顧客訪問の制限は業績に大きな影響

 コニカミノルタの2020年3月期における売上予想は9950億円。対前年6%減となる見込みだ。この内、コロナウイルスの影響による減収額は230億円としている。また営業利益は80億円と、計画より120億円下振れする。その内で新型コロナウイルスの影響によるものは110億円とのこと。

 コニカミノルタのような複合機メーカーにとって、3月は複合機を売りさばく最大のチャンスとなる。3月は最も複合機が売れる月であり、顧客企業も3月決算であることが多く、「予算を使いきるために複合機を買い替えたい」という一定の需要があるのだ。

 しかし3月以降、感染拡大防止のために顧客訪問を制限され、決算前の最後の売り込みができなかった。また契約が取れたものの複合機の設置が延期になってしまい、売上計上ができないというケースも多かったようだ。

■2021年3月期も厳しい業績予想 割安感は強い

 在宅勤務の拡大によるプリント需要減は今後も続き、また顧客訪問などの営業活動に制限があることから、第1四半期、第2四半期は厳しい業績になることが予想される。

 しばらくは株安が継続されると見込まれるが、13日現在の配当利回りは6%を超えており、PER(株価収益率)が4.52倍、PBR(株価純資産倍率)は0.34倍となっていることからも、割安感が強まっているのは間違いない。業績悪化は織り込み済とし、緊急事態宣言解除後の株価上昇局面での反発は十分にありうるだろう。

 当面は手元資金を厚くして流動性確保に努める構えだ。3月末時点で約900億円あった現預金に加え、4月に金融機関から850億円の資金を調達、追加で融資枠を設けるという。これら調達した資金をどれだけ投資に使えるかが、コニカミノルタ浮上のカギとなるだろう。

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