子供の自己肯定力を高める親子のスキンシップ

2020年2月25日 07:22

印刷

 親に愛されていると感じた子供は、自己肯定力が高まり、心と身体がより健康的になる。

【こちらも】5~7歳頃の子どもに効く“ほめ方”

 といっても、無理にハグしたり、ベタベタする必要はない。簡単なボディタッチで十分愛情は伝わる。そのボディタッチとは、背中をさすること。わずかな時間さするだけで、親の愛情も伝わり、心を癒し、さらに体調だって良くなっていく。

 日本人は愛情表現が不得意である。親子なんだから特に伝えなくても分かっているだろうと思いがちだが、表現しないとなかなか伝わらないものだ。さらに、ある程度成長すると言葉にするのもお互いに恥ずかしいだろう。

 もちろん、言葉で伝えるのも有効だが、軽いふれあいこそお互いの愛情を伝える最上の方法だ。

■背中をさすると自信と勇気を与える

 学校へ行く前などに数分背中を優しくさするだけで、親からの愛情を感じ子供に自信と勇気を与える。学校が好きではない子供には特に効果的だろう。

 子供は初めての経験が多く、常に緊張しているもの。強い不安や感情の乱れは、自律神経がバランスを失っている状態でもある。背中には自律神経の通り道があり、優しくさするだけで筋肉がゆるみ、心と身体をほぐしてくれる。そのため、背中の中心を意識して中心から丸くさすっていくと良い。

■愛情ホルモンが親子の関係を深める

 また、人の皮膚は「タッチ」することによって「オキシトシン」というホルモンが分泌される。このホルモンは別名「幸せホルモン」と呼ばれており、人が幸せを感じることと深い関係がある。

 このホルモンは、嫌悪感がある場合にはあまり分泌されない。触れる方と触れられる方がお互いを思いあうことで、いっそう分泌される。背中をさすることは、親子が「愛情」や「幸せ」を再確認することが出来るのだ。

 孤独な人が人にタッチされただけで、「認められた」という無言のメッセージを感じたという研究もある。特に親に触れられると、どれほど自己肯定力が高まるだろうか。

■タッチと共に言葉かけを

 こういった背中への「タッチケア」は、今や医療の現場でも効果を認め積極的に行うようになっている。事実、認知症の徘徊改善や、痛みの緩和など、癒しの実力は本物だ。

 さらに「頑張っているね」などという一言があれば、子供はいっそう素直に受け止めるだろう。子供は全身で愛情のメッセージを受け取り、自分の力としていくはずだ。

関連記事