パキスタン最高裁、シャリフ首相には国会議員に必要な誠実さがないと判断

2017年7月30日 17:42

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記事提供元:スラド

パキスタンの最高裁判所は28日、首相のナワズ・シャリフ氏が国外資産を公表せず、虚偽の申告をしたなどとして国会議員に求められる誠実さがないと判断。選挙委員会にシャリフ氏の国会議員資格を即時剥奪するよう命じ、シャリフ氏には首相を辞任するよう命じた(判決文:PDFRadio Pakistanの記事The Newsの記事The Express Tribuneの記事NHKニュースの記事)。

シャリフ氏はパナマ文書に名前が登場したことから、家族とともに合同捜査チーム(JIT)の捜査対象となっている。これに関連して、莫大な資産を不正に取得したシャリフ氏には憲法などが国会議員に求める誠実さがないなどとして、国会議員資格の剥奪を求める申立が行われていた。最高裁では国会議員の資格剥奪に至る不誠実さのレベルは非常に高いとして、4月にはさらなる調査が必要との判断を示していた(PDF)。その後の調査ではCalibriフォントが文書偽造の証拠とされたことをはじめ、資産隠しなどに関するさまざまな証拠が見つかっている。

これを受けて首相府報道官はシャリフ氏が辞任したと述べているとのこと。パキスタン首相府のWebサイトは29日15時30分ごろから工事中の表示になっているが、それまで本件の情報は出ていなかった。シャリフ氏が任期途中で首相を辞任するのは今回が3回目。パキスタンでは軍や最高裁、所属政党により辞任に追い込まれた首相から暗殺された首相まで、5年の任期を最後まで務めた首相は70年の歴史の中で一人もいないそうだ。

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