NEDO、山形県酒田港で波力発電の実証試験を開始

2015年4月17日 22:45

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山形県酒田港に設置した波力発電システム(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)

山形県酒田港に設置した波力発電システム(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)[写真拡大]

  • 空気タービン方式発電システム概念図1(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)
  • 空気タービン方式発電システム概念図2(新エネルギー・産業技術総合開発機構の発表資料より)

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は17日、海洋エネルギー技術研究開発プロジェクトの一環として空気タービン式波力発電システムを開発し、山形県酒田港の護岸で実証試験を開始したと発表した。これにより、波力発電システムの実用化につなげるとともに、既存の防波堤や護岸などに取付け可能なシステムとして建造・設置コストの低減化を目指す。

 NEDOは、2011年度から海洋エネルギー発電技術の研究開発プロジェクトを実施しており、開発した空気タービン式波力発電システムについて、山形県酒田港の実海域で実証試験を開始する。この発電システムは、護岸に設置した振動水柱型空気タービン方式の発電装置である。実証試験では、最大15kW級の規模で半年程度を予定している。

 振動水柱型空気タービン方式の波力発電システムとは、波の振動を空気の流れに変換(一次変換)した後、空気の流れによってタービンを回転することで発電(二次変換)するシステムである。具体的には「空気室」と呼ばれる空気の出入りのための穴が空いている構造物を設置し、空気室内の水面が上下することによって、その穴から波の上下に合わせた空気の流れが発生する。その流れを用いて、タービンを回転させ発電機を動かし発電する。

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