東芝、欧州のデマンドレスポンス関連会社を買収

2013年7月3日 12:59

印刷

 東芝は3日、デマンドレスポンス(DR)向けソフトウェア開発・サービスの提供を行う欧州サイバーグリッド社の株式の76%を取得し、子会社化したと発表した。今後DRを含むエネルギーマネジメント事業の欧州での展開を本格化していく。

 サイバーグリッド社は、電力会社向けにDRシステムを提供する会社で、すでにスロベニアでのDRシステムの導入実績があり、欧州域内で拡販活動を推進している。電力会社は同社のシステムを活用することで、工場やビルなどの分散電源の供給能力と、需要家側の削減可能な消費電力を一括して遠隔管理する。これによって、仮想的に単一の発電設備のように電力供給量を調整するVPP(Virtual Power Plant)ソリューションを提供し、効果的なDRが実現可能となる。

 欧州では、太陽光発電システムや風力発電システムなどの再生可能エネルギー導入が進んでおり、電力需給の安定化のためDRなどの最適な電力管理技術のニーズが高まっている。

 東芝は、グリッド監視制御システム、蓄電池システムや、ランディス・ギア社のスマートメーター、通信からメーターデータ管理ソフトまでのAMI(Advanced Metering Infrastructure:スマートメーター総合管理システム)といった電力の供給側と、エネルギーマネジメントシステムや省エネ機器・システムといった工場・ビルなどの需要側の双方へのスマートグリッド関連ソリューションをグローバルに展開している。

 さらに東芝は、今回のサイバーグリッド社買収によって、欧州において電力会社向けに電力の安定運用を図るためのDR導入計画支援、システム及び運用サービスを提供するとともに、制御対象となる需要家向けソリューションも展開していく。

関連記事