【編集長の視点】1ドル=100円なら第2の円安メリット株・資源株急浮上=浅妻昭治

2013年2月12日 10:53

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

<マーケットセンサー>

■囁かれるマジック・ナンバーへの期待

 「100、13000」……このところ兜町で言い交わされているマジック・ナンバーである。為替相場が、1ドル=100円まで円安になれば、日経平均株価は1万3000円まで株高に進むと希望的観測を込めて唱えられている。

 昨年12月の衆議院選挙前にも、同じ類のマジック・ナンバーが流布した。「300、84.14、10000」であった。自民党が、衆議院選挙で議席数を300議席獲得し、為替相場が、それまでの安値1ドル=84.14まで円安になれば、日経平均は1万円になるとする期待が込められていた。

 この昨年年末のマジック・ナンバーは、自民党の獲得議席数も、為替相場も、日経平均株価もすでに軽々とクリアした。この目標達成から、さらにレベルを上げたマジック・ナンバーの合唱となっているものである。

 しかし、仮に為替相場が、1ドル=100円まで円安に進むようだと、日経平均の1万3000円は、そう難しいマジック・ナンバーではなくなるはずだ。たとえばトヨタ自動車 <7203> である。同社は、この2月5日に今3月期業績を再上方修正して、営業利益が、昨年の1回目の上方修正値より1000億円上ぶれたが、この大きな要因が円安進行であった。為替レートを前回修正時の1ドル=79円から81円、1ユーロ=100円から104円へ円安方向で見直したことによる。

 同社の為替感応度は、ドルが1円円安で350億円、ユーロが1円円安で50億円も営業利益がそれぞれ増加すると試算されている。もしドル相場が100円となれば、それだけで今期営業利益は、6650億円もさらに増加することになる。株価は、2月5日の業績再上方修正で昨年来高値まで400円高し、2008年9月以来の5000円台回復目前となった。この2008年9月当時の日経平均株価の高値は、1万2940円であり、まさにマジック・ナンバー達成は当たらずとも遠からずということになる。

 だからあとは、日経平均が1万3000円を達成できるかどうかは、内外から強まりそうな風圧をハネ返して、日銀総裁の後継者選びや「アベノミクス」効果で円安誘導が可能かどうか、安倍晋三首相の力技、海外交渉力次第ということになる。

 為替レートが、1ドル=100円の円安となれば、諸株高騰の全面高になる。中心は、トヨタに代表される輸出主力株、TOPIXCore30銘柄で、日経平均1万3000円奪回をリードすることになる。ところが、この2月の決算発表では、このCore30銘柄と並んで意外な銘柄が、円安寄与で業績を上方修正してきた。資源関連株である。Core30銘柄に続いた人気化することは必至であり、「第2の円安メリット株」としてぜひマークするところとなる。(本紙編集長・浅妻昭治)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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