「電子書籍が紙の本を殺す」というのは言い過ぎ?

2013年1月9日 06:00

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記事提供元:スラド

taraiok 曰く、 これまで電子書籍は紙の本に取って代わるという論調が支配的であった。しかし、予想とは反対に電子書籍の売上成長率は急激に減っているようだ(Nicholas Carr's blogPewInternetDead Tree Edition本家/.)。

 PewInternetの調査によれば、過去12か月の調査で16歳以上のアメリカ人の23%は電子書籍を購入したことがあるという。一方、印刷された本を読んでいる16歳以上のアメリカ人は72%から67%に低下した。電子書籍市場は成長しているのだが、見方を変えると過半数をはまだ紙の本に依存しているということになる。米国の出版業界の分析サイトでも、電子書籍の売上高がここ数年の爆発的なレベルから劇的に鈍化しているという。

 作家のニコラス·カー氏は「Will Gutenberg laugh last?(最後に笑うのはグーテンベルクか?)」と題して、なぜ電子書籍は期待外れの結果になっているのかについていくつかの理由を挙げている。

 氏が挙げているのは、電子書籍に向いているフィクションのようなジャンルとノンフィクションや文芸小説などのように向いていないジャンルがあるのではないか、ということや、電子書籍のようなハイテク機器に興味のあるユーザーはすでに電子書籍に移行済みで、ほかのユーザーは電子書籍に全く関心を持っていない可能性がある、電子書籍は期待されているほど価格が安くはないことなどだ。

 氏は電子書籍は最終的には印刷された本を補完する存在に落ち着くのではないかとしている。

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