ドコモ、基地局に燃料電池を導入 長期停電時の非常用電源として活用

2012年10月26日 11:48

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 NTTドコモは25日、災害時などにおける長期停電対策のため、従来設備よりも軽量かつ省スペースで長時間利用できる燃料電池を、基地局の非常用電源として2013年3月から導入すると発表した。

 今回導入する燃料電池は、従来の基地局バッテリー24時間化のために設置されている鉛蓄電池と比較すると、重量が約14分の1、容積が約2分の1になるなど軽量・小型化されるうえ、非常用電源として40時間以上運用することが可能になる。

 当初は燃料として消防法上の危険物に該当しない濃度60%未満のメタノール水溶液を使用し、将来的にはバイオ燃料化も検討する予定。これにより、環境にやさしいエコ発電を実現する次世代グリーン基地局の推進につながり、環境貢献も期待できる。今年度中に関東甲信越の一部基地局への先行導入を開始し、2013年度から順次他地域の基地局への導入を目指す予定。

 また、ドコモは、災害時などに遠隔操作で基地局の消費電力を抑制することにより、サービスエリアを維持しながら非常用電源を長持ちさせることができる機能を開発し、全国の対象基地局へ導入が完了したと発表した。

 同機能は、遠隔操作で基地局の装置もしくはその一部ごとに電源ON・OFFの制御を可能とするもので、この制御により電力消費を抑制することができる。

 これまでは停電等で基地局装置が非常用電源による運用を余儀なくされた場合、現地へ駆け付け、現地作業による省電力化を実施することで電力消費を抑制してきたが、今後は同機能により省電力化をおこなうことで、携帯電話サービスをより長時間提供することが可能となる。

 同機能はソフトウェア変更により2012年4月から導入し、7月に全国の対象基地局に導入完了した。すでに2012年7月の九州豪雨、9月の台風17号の際にも運用しており、今後も非常時の通信確保を目的に同機能を活用していく。

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