日産、「e-NV200」テストカーを栃木県に貸与 農村地域で実証運行

2012年9月4日 11:13

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 日産自動車は3日、栃木県が行う農村地域での電気自動車活用における実証運行のため、多目的商用バン「NV200」をベースとした100%電気商用車「e-NV200」のテストカー1台を、同日より栃木県へ貸与すると発表した。

 今回の実証運行は、農村地域の直売所で販売する農作物の集荷等に電気自動車を利用し、利便性・経済性・環境性等を検証するもの。過疎化・高齢化に加えて、ガソリンスタンドの撤退も進んでいる(数が減少傾向にある)農村地域において、充電作業が自宅でできる電気自動車の利便性や、排出ガスがゼロという特性を活かした出荷業務の環境への負荷低減効果等を検証する。

 農村地域では、小水力発電、太陽光発電、バイオマス発電等の再生可能エネルギー活用の可能性が高く、栃木県ではそれらを農業用施設等に活用する「電力の地産地消」を目指しており、今回の実証運行はその取組みの一環となる。さらに、農村では停電時においても電力供給が欠かせない施設・作業(ビニールハウスの暖房・搾乳等)が多く、栃木県では今年度中に電気自動車の蓄電機能を活用した電力供給実証を行う予定となっている。

 100%電気商用車「e-NV200」の将来の市場投入に向けては、すでに複数の大手フリート企業と実証運行を実施してきており、2012年に入ってからは、日本においてイオンリテールおよびフェデラルエクスプレスと、また欧州ではブリティッシュガスなどと行っている。なお、地方自治体への車両の貸与は今回が初めての事例となる。

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