個人投資家は人を頼りにするな=犬丸正寛の相場展望

2011年9月21日 11:41

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記事提供元:日本インタビュ新聞社

人の意見はヒントとしても、最終判断のところは人に頼ってはいけません。これまで、われわれ日本人は、「寄らば大樹の影」式で、人に頼るクセがありました。株投資は国際社会で生きて行くためのよい訓練の場にもなることと思います。

人の意見はヒントとしても、最終判断のところは人に頼ってはいけません。これまで、われわれ日本人は、「寄らば大樹の影」式で、人に頼るクセがありました。株投資は国際社会で生きて行くためのよい訓練の場にもなることと思います。[写真拡大]

■個人投資家は人を頼りにするな

  言うまでもなく、今は、自己責任の時代です。言葉が中心の世界なら、断定さえしなければ、政治家のように、白を黒、黒を白と言い換えたり、都合の悪いことは知らなかったで押し通すこともできるでしょう。しかし、株の売り・買いでは、契約は実行されなくてはいけません。商品ならクリーンオフ期間もあります。株の世界では売り、買いの約束をしたら絶対に守らなくてはいけません。

  したがって、大切となるのは判断力です。難しいことではありません。株では、「ウリ・カイ・ミオクリ」の3通りしかありません。昔は、証券会社は良き相談相手でした。時には、断定に近い言い方もしてくれたものです。今は証券会社に期待してはいけません。とくに、取引額が1億円以下の投資家は相手にしてくれないと思ったほうがよいでしょう。アナリストがいるではないか、という思いもあるでしょう。しかし、彼らもビジネスです。調査レポートは大口の投資家を優先するはずです。しかも、プロでない小口投資家には証券会社の説明責任が厳しく求められます。

  小口投資家は手数料が少ない上に、説明責任だけが強く求められるから、証券会社にはコスト的にも割りに合いません。小口投資家はネット取引でどうぞ、ということです。証券会社にとって、小口投資家は相手にできない存在となっているのです。もっとも、良い点もあります。昔は、個人投資家を巻き込んで、大量推奨販売方式で、高値圏で買わせる動きが目立ちました。このため、大きい相場の後には、損をした個人投資家が取り残されたのです。現在は、この点がなくなったことは大いに評価できます。

  繰り返しますが、株はウリ・カイ・ミオクリの3通りです。自分で学び研究して判断する。この判断のプロセスを体得すれば、社会生活のいろいろな判断を求められる場面で役立つと思います。人の意見はヒントとしても、最終判断のところは人に頼ってはいけません。これまで、われわれ日本人は、「寄らば大樹の影」式で、人に頼るクセがありました。株投資は国際社会で生きて行くためのよい訓練の場にもなることと思います。(執筆者:犬丸正寛 株式評論家・日本インタビュ新聞社代表)

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